―1―
真新しい制服に身を包んだ男女三百余人。
落ち着き無くキョロキョロするヤツ、ガチガチに緊張してるヤツ、鏡でチェックするヤツ、携帯いじるヤツ、ガム噛んでるヤツまでいる。
今日は晴れの入学式だぞ?
少しはケジメっつうもんつけろよ…。
「おい、三浦…」
声の方を向くと、中学時代のライバル、鈴木俊哉がいた。
「鈴木!!」
「こら!静かにしろ!式はもう始まってるんだぞ!」
入学早々怒られた…。
周りから失笑が起こる。
「お前のせいで怒られたじゃんか!」
出来るだけ声を潜めた。
「お前が大きな声出すからだぞ」
「なんでお前がここにいるんだよ?」
「なんでって、俺の頭じゃここが限界なんだよ」
俺が入学した高嶺高校は、中の上レベルの公立だ。
「お前ならバスケの推薦取れただろ?」
「蹴った」
「はあ?なんで?」
「公立でレギュラー目指す。そして県大会優勝させる」
「壮大な夢だねえ」
「そういう三浦は?お前だって推薦取れただろ?」
「蹴った。理由は違うけどな」
俺はバスケから離れたくなって、公立を選んだ。
「なんでだよ?バスケは続けんだろ?」
「3on3くらいならな」
「はあ?ふざけんなよ!」
「お前たちいい加減にしろー!」
体育教官らしきマッチョな先生に呼び出された。
「お前たちの席はここだ」
教員席の真横に座らされた。
クスクス笑い声が聞こえる中、式は終わった。
―2―
「クソー、あのマッチョ完全にイジメだろ?行き過ぎた体罰だろ?」
俊哉は悪態をついた。
「仕方ないだろ?一度注意されて静かにしなかったんだから。入学式でだぞ?」
「お前は優等生だな。ところでバスケは辞めんなよ?高嶺中の俺に、緑中の三浦が加われば、県大会優勝狙えるぜ」
「ゆっくり考えるよ」
「呑気なこと言ってんなよ!すぐに入部だ!すぐに!」
「まだ考える時間はあるだろう?じっくり考えたいんだ」
クラス編成で俺は五組、俊哉は六組だった。
驚いたのは、担任がマッチョの寺地先生だった…。
真新しい制服に身を包んだ男女三百余人。
落ち着き無くキョロキョロするヤツ、ガチガチに緊張してるヤツ、鏡でチェックするヤツ、携帯いじるヤツ、ガム噛んでるヤツまでいる。
今日は晴れの入学式だぞ?
少しはケジメっつうもんつけろよ…。
「おい、三浦…」
声の方を向くと、中学時代のライバル、鈴木俊哉がいた。
「鈴木!!」
「こら!静かにしろ!式はもう始まってるんだぞ!」
入学早々怒られた…。
周りから失笑が起こる。
「お前のせいで怒られたじゃんか!」
出来るだけ声を潜めた。
「お前が大きな声出すからだぞ」
「なんでお前がここにいるんだよ?」
「なんでって、俺の頭じゃここが限界なんだよ」
俺が入学した高嶺高校は、中の上レベルの公立だ。
「お前ならバスケの推薦取れただろ?」
「蹴った」
「はあ?なんで?」
「公立でレギュラー目指す。そして県大会優勝させる」
「壮大な夢だねえ」
「そういう三浦は?お前だって推薦取れただろ?」
「蹴った。理由は違うけどな」
俺はバスケから離れたくなって、公立を選んだ。
「なんでだよ?バスケは続けんだろ?」
「3on3くらいならな」
「はあ?ふざけんなよ!」
「お前たちいい加減にしろー!」
体育教官らしきマッチョな先生に呼び出された。
「お前たちの席はここだ」
教員席の真横に座らされた。
クスクス笑い声が聞こえる中、式は終わった。
―2―
「クソー、あのマッチョ完全にイジメだろ?行き過ぎた体罰だろ?」
俊哉は悪態をついた。
「仕方ないだろ?一度注意されて静かにしなかったんだから。入学式でだぞ?」
「お前は優等生だな。ところでバスケは辞めんなよ?高嶺中の俺に、緑中の三浦が加われば、県大会優勝狙えるぜ」
「ゆっくり考えるよ」
「呑気なこと言ってんなよ!すぐに入部だ!すぐに!」
「まだ考える時間はあるだろう?じっくり考えたいんだ」
クラス編成で俺は五組、俊哉は六組だった。
驚いたのは、担任がマッチョの寺地先生だった…。