あたしの後ろの黒板を、これまた眉間にシワを寄せて見る彼女。


それの邪魔にならないように、一歩だけ横にずれてみる。



「あー、マジだ。…ごめん、間違えてたみたい」



そう言った彼女は初めて笑顔を見せて一個前の席に移動した。


横山 明日香…っていう子なのか。

座席表に、そう書いてある。


そんな彼女の後ろにあたしも座る。


鞄を机の横にかけ、スカートを綺麗にしてから前を向くと横山さんがあたしをジトーっと見ていた。


それにギクッとしてしまった。



「……ナンデスカ?」


「ぷ。片言って!どうゆーことっ」



別に、意図はないですが。

あなたの目力に圧倒されたのですが。


……とは、言えない。


ぎこちなくても、ニッコリ笑っとく。