「あのぉ……」
「………」
シカト?
いや、聞こえてなかったのかも。
「あの!」
「……………あぁ?」
お、起きた…!
ムクッと顔を上げた彼女の顔は、これ以上にないぐらい可愛かった。
一言で言うと、童顔。
「なんスか……?」
「え……」
見とれていると、彼女は眉間にシワを寄せてあたしを警戒するように見ていた。
……この人も、顔の使い方が下手だ。
確か、昨日のギターのアノ人も、顔の使い方が下手だった。
「そこ、あたしの席なんだけど……」
絞り出した声は小さかった。
あたし、いつの間に人見知りになったんだっけ……。