そりゃ、いつもハニーと一緒ならうれしいけれど。

 会社って、普通、そんな。

 従業員のわがままを聞いてくれるんだろうか?


「いいの?」

 驚く僕に、ハニーは腕をゆるめて僕の顔を見た。

「どっちにしろ、前々から海外(そと)に出かけるときは。
 心配だから、誰かを連れて行け、とは言われていたんだ。
 良いんじゃないか?」

 しかも……

 と言って、ハニーは、にやり、と、笑った。

「私は、今期を含めた五期ほど。
 連続して、会社で一番の稼ぎ頭だったんだ。
 社長は、私が他社のヘッドハンティングを断っているのも知ってるし。
 ……これくらいの我儘は、聞いてもらうさ」