確かに、ハニーとは付き合いが長くなり。

 出会ったばかりの時のような。

 文字通り、命を賭ける。

『何が何でも』『めちゃくちゃに』愛するようなことは無くなったけど。

 色々、落ち着いて来た今は。

 お互いに、いたわりあうように、愛しあっている、と思う。

 今日、だって。

 夜勤明けで僕が変な帰って来たのに、ハニーは、すぐ起きてくれて、嬉しかった。

 そのまま、七時に、ハニーが仕事に出かけてゆくまで。

 安心して、抱きしめあって眠ったのに。

 ……本当は、欲望も溜まっているはずじゃなく。

 ハニーとの、愛情も深いのに。

 無理やり、熱を上げられている感じが、続いている。


 ……うたた寝して
『椿姫』で目覚めてから、かなり変で。


 そんな感じが気持ち悪かった。





「螢君。
 今日は、なんか変じゃない?」

「……え?」

 みんなが、位置に着き、トシキの曲を待つ間。

 里佳が、僕に、ささやいた。

「……なんか、とっても、色っぽいね?」

「……は?」

 僕の間抜けな声に。

 里佳の頬が、ぱあっと、薔薇色になった。

「ごめんなさい、わたしも変ね?
 忘れて?」

 どうやら、照れているらしい。

 それが、とても可愛いいなんて!




 僕は、本当に、変だ!