夢の中で、僕は。
確かに『椿姫』を踊ってた。
辺りには、ギターの音で響満ちていた。
もとは、ショパンのピアノ・ソロ曲だったはずだったのに。
だいぶイマ風に編集されて、アップテンポになり。
しかも、ギターに乗せて、響けば。
原曲とは、大分違った曲になる。
けれどもコレが。
……僕の知ってる、椿姫。
とても淫らな、僕の曲だ。
『僕』とダンス劇中の娼婦である『椿姫』がシンクロする。
指先から、つまさきまで、神経を使い。
僕のカラダを、ヒトに見せる。
魅(み)せる。
いつの間にか、欲望に火照って来た、自分自身の熱を、見せつけて。
疼くカラダの全部を使って、ヒトの欲望を呼び覚ます。
そして。
熱い吐息をつきながら相手を、とろけさせるように。
突き上げてくる欲望のままに。
踊り続ける。
わたし(僕)は娼婦。
乞われれば、誰にでもカラダを開く女。
誰でもいいから、僕(わたし)を抱いて。
……めちゃくちゃにして。