どんな形であれ。

『自分の感情』を、顔の表情以外で表現することって好きだ。



 僕が子どもの頃。

 自分自身の感情を持て余し。

 拳を固めて戦うことしか、全てを表現する方法を知らなかった。

 なのに。

 いつの頃からだったろう。

『踊ること』を覚えたのは。




 最初は、僕の見た目が良いから、形だけでも真似しろと。

 無理やり踊らされていたはずなのに。

 いつしか、自分がハマり、極めれば。

 世の中は。

 悲鳴と骨の砕ける音が織りなす、怒りの感情ばかりじゃなく。

 柔らかな。

 優しい。

 暖かい感情が、あることを知った。