『もう一回出るとこから始めるで~
温かい大きぃ拍手をお願いしますっ!!』



満面の笑みでそう言って、

もう一度仕切りなおす彼



涙が出そうになるのをこらえながら、

慌てて拍手を送った




本当に夢みたいだ




君がココにいて、

あたしがココにいる





彼はさっとギターを抱え込んで、

ギターのチューニングをさらっと終え、



身体中に響くような音色で弾きだす





ヘッドフォンから聞く彼の声からは、

絶対に伝わることのない



息遣い、

温かさ、



それを今、

知ってしまった