10帖1ルーム。
トイレバス別。
都会と呼ばれる場所に行くのに徒歩10分もあれば行ける場所。
1人で住むには、文句のない広さだった。
―今日遅くなる?―
用件だけ文字にして、送信ボタンを押す。
決まって3分以内に返信が来る。
―20時くらいかな―
ちらり、仕事場の時計を見ると、17時半を過ぎたところだった。
ここから10分歩いて、家に着いて、ご飯作って19時に家を出れば…
『間に合うか。』
ぼそりと呟いて、カチカチと携帯のボタンを押す。
―簡単にだけど、ご飯作っておくよ―
送信。
ふぅー…
一息ついて、鞄を手にした。
すると、ピカリと光る携帯。
目を通してポケットに突っ込んだ。