とんでもない奇跡が起こったあの日から…
あたし達はこうなる運命だったのかな??
これが…
あたし達の宿命だったのかな…?
12月24日
あたしと祐貴は
この世界に誕生した
家が隣で
同じ誕生日で
同じ血液型で
なにより…
クリスマスイブに生まれたことから
あたし達は
【奇跡の子】
と言われていた
たくさんの奇跡と共に…
あたし達は
幸せいっぱいに育っていった……
5才
「みぃかぁー!はぁやぁくぅー!!」
「ちょっとっゆう、はやいよぉー!!」
あたし達はいつも
近くの公園で遊んだりしていた
祐貴は怖いもの知らずだから
どんどん前に進んでいく…
そんな祐貴にあたしはついていけないまま…
でも祐貴は優しいから
時々後ろを向いて
「だいじょうぶかぁ?ほらっおいでっ」
って手を引いて…
当時のあたし達は小さかったけど
祐貴だけは大きく見えた
祐貴の背中は頼もしくて
とても温かかった
「ついたぁー!!」
5才のあたし達にとっては
とても急な坂道
その坂道を登った所がゴール地点
「はぁ…やっとついたね…」
「なぁんだっみか。もうつかれちゃったの?」
「うん。つかれたぁ」
「ふふふっ少し休もうかっ」
「うんっ!」
あの時の祐貴の笑いは
どんな思いがあったんだろう…
「はぁー…あそびつかれちゃったぁ」
「そろそろかえろっか」
「うん…」
「…どぉした?」
「つかれた…みかもうあるけないっ」
「ほんとに?」
「………うん」
「………ほれっ」
「え?」
「のって」
祐貴はあたしに背中を向けて
自分の背中を縮ませた
「おいしょっおいしょっ」
「ゆうぅみかおもたい?」
「ぜんぜんおもくないよっ!だいじょうぶっ」
祐貴は小さい体で
一生懸命あたしをおんぶしてくれた
「みかー」
「なぁにー?」
「ぼく、みかといっしょういっしょにいるからっ」
「うんっ」
「みかはぼくがまもるからっ」
「うんっ!」
小さい子らしい台詞…
【僕が守る】
その言葉通り
あたしはいままでずっと
祐貴に守られてきた
犬から追い掛けられた時も
石ころに躓いて転んだ時も
幼稚園の子にいじめられた時も…
いつでもあたしの所へ駆け付けて来て
あたしを助けてくれた