「花蓮(カレン)~!」

「ん?」

「来たよ?太陽クン♪」


来たッ!!



結露が激しい冷たい窓
だけどそんなの関係なし
あたしはその窓に張り付いた


いたッ!


あたしの目線には
バスケットボールを持った彼

雪が降りそうなくらいの
天気なのに
彼の周りは夏のように光ってる



彼はあたし、
杉浦花蓮(スギウラ カレン)が
夢中になってる相手

だけど
あたしは彼の名前を知らない
もちろん彼は
あたしの存在すら知らない…
のかもしれない

だって学年が違うんだもん


だからあたしは彼を
「太陽クン」
と呼んでいる

だって
キラキラしてて可愛いんだもん