待ち合わせ場所なんか行きたくもないが、白線も薄くなりいたみの激しい舗装された道路に視線を落としながら嫌々歩く。


ったく、千秋のやつ――。


俺は足元に転がっていた小石を爪先で小さく蹴った。


無理矢理蹴りだされた石はかわいた音たてながら転がり、やがてぱたりと動きを止める。


“遅くなったけど、翠月ちゃんの歓迎会も兼ねてるんだから、来なかったら承知しないからね!”


本当に勝手なやつばっかり……。


土足で踏み込んでくるおふくろも、力任せに押しつける千秋も。


俺の気も知らないくせに――。