浸りきっていた自分の世界から、この鬱陶しい耳障りな声に喧騒の世界へと引き戻される。


「……何だよ?」


低めの声で面倒くさく言い、その鬱陶しい声の主へと目を向ける。


ちんちくりんな体を少しでも威圧的に見せようとしてるのか、ない胸を無駄に張り両手を腰に当てている。


コイツは幼馴染で高2の紺野千秋だ。


キャラメル色のボブヘアーに不釣り合いな童顔な顔は、思いきり頬を膨らませ俺を睨んでいた。


「ほら!今日こそ部室行くんだから!」


無理矢理腕を引っ張られ引きずられる俺。


「俺は行かないって言ってんだろ」


「つべこべ言わず、どうせ暇なんだから来なさいよ!」


俺が何を反論したところでびくともしない。


千秋は見かけによらず馬鹿力なんだ。