「言われなくてもそうするさ。お前よりもずっといいボーカルとギター探してやる」


影で雅臣の表情は見えないが、氷のように冷たい声でどんな目をしてるか想像がつく。


「あぁ、すぐに見つかるだろ」


雅臣の言う通り、そうやって新しいStellarを作ればいいんだ。


「雅臣……。ねぇ、奏斗は何でわかんないの!奏斗の歌を待ってる人がいるでしょ――?」


千秋の震えた声が俺の閉ざした心に入り込もうとする。


もうこれ以上、言うな……。


傷口を広げられるような痛みが胸に走る。


それをゆるさないように、俺は顔を背け、傷口を閉じようとした――。