千秋はライブというといつもこの調子だ。


名前だけが残っている俺を含め、この4人しか軽音部にはいない。


だから、余計に気合いが入ってるんだろう。


「言っておくが、俺はもうStellarじゃない」


……そう、そして俺等はバンド、Stellarだった。


窓からさした西日は、無機質な白い壁を橙色にかえ、顔を影で染めていく。


――時は、俺を置いて移り変わるんだ。


Stellarは、あの日からもうないのだから。


……今のStellarは、“Stellar”じゃない。


「ボーカルとギターなら他をあたれ」


そして、今の俺もあの日々の俺じゃない。


もう奏でられないし、そんな資格もないから――。