「ごめんごめん。渋滞にハマっちゃってさ」
「ふぅん…ま、上がって上がって」
まだ新築だろうか。綺麗なアパートだ。ロフトが付いている。ロフトは私の憧れでもある。気分によって下で寝る日もあれば、ロフトで寝る事も出来るから。ロフトにぬいぐるみを枕の回りに沢山置いて眠りたい。私だったら、そうするな。と想像を膨らませる。

「ロフトいいね~」
「そぉ?寝起きによくハシゴから落っこちるんだよね」
眞奈は苦笑いしている。

余りジロジロ人の部屋を見るのは悪いと分かっていても1人暮らしをしている友達は眞奈が初めてだったので私は興味津々で色々見てしまう。

清楚なイメージな眞奈だけど、部屋を見て思った。散らかっている。雑誌やら本やら、チラシにケータイも床に置いてあるのでは無く転がっている。
流し台には使ったであろう食器が有る。
小物類を入れる棚も整理されておらず、グチャグチャと突っ込んで有る。その棚も埃を被っている。

床に座って棚をじっと見ていると、察したのか
「ごめんねぇ。散らかってるでしょ?眞奈、片付け苦手なの」
私は散らかっている部屋に不快感は全く持たない。何故なら自分の部屋も眞奈ちゃんと同じ位散らかっているから。部屋を見入ってしまったのは、私と同じ位散らかっている事と、使った物を、その辺に転がす所が良く似ているな。と関心して親近感が湧いたからだ。
「私の部屋も、すんげ~から平気だよ。親に怒られなかったら、もっと散らかすもん」
眞奈は可愛く笑った。

私は、さっき買って来た物を広げて、呑も~ぜ~ 。と酒類を差し出した。
「お!眞奈、氷入れてくるね!」

これから宴会の始まりだ。