もう深夜の12時過ぎ、
家への近道の細い路地を急ぎ足で歩いていると。


カツカツ…


さっきまで聞こえなかった足音が聞こえる。
(まさか…ストーカー!?)
私が小走りになると、足音も早くなる。


バッ


「えっ ちょっ…いやぁっ  離して…」

すると、耳元で男の囁き声が聞こえる。

「ウヒヒ…うまそうな匂い…」

「や…止め…っっ―――――――――痛…」

もうダメ 
私がそう感じた時…


ドカッ


鈍い音がして後ろにいた男が倒れる。

「大丈夫?」

声がして振り返ると…
暗くてよくわからなかったが、誰かたっていた。

「あ…はい…ありがとうございます。あの…」

月明かりがでて、その人の顔が照らされる。

「俺の顔に何かついてる?」

「えっ? あっすみません すごく綺麗で…」

その人の瞳は、カラコンをいれたとは思えないほど
赤く、美しいほど 光っていた。