「椎名さん、ちょっといいですか」 …またか。 この言葉を聞く度、俺は憂鬱になる。 中二の春。 俺は初めて柚と同じクラスになれた。 俺の学校は、毎年クラス替えをするから、毎年毎年ドキドキだ。 「ん? いいよ」 たぶん… 柚は告白されるなんて思ってもないだろう。 俺は、告白の定番スポット、校舎裏がよく見える美術室に行った。 昼休み。 ここの美術室は毎日空いている。