神社の方には出店がないため人がまったくいなかった。 神社の入り口には小さな狛犬が二匹、 境内をまもるようにちょこんと座っている。 近くの階段に二人で腰をおろす。 微妙な距離。 だけど、二人きりのこの状況では 私の胸を跳ねあがらせるには十分な距離だった。 叶うはずがない恋なのに、 横にいる愛しい人には自分には敵いっこない可愛らしい彼女がいるとわかっているのに、 なんでこんなに胸が高鳴るのだろう。