レイジが言った通り、一気に敵が強くなった。
ここを一人で切り抜けるのは確かに自殺行為かもしれない。
もし彼処でレイジに出会って居なかったら私は多分ゲームオーバーになってたに違いなかった。
私達の旅は予想以上に厳しかった。
「こりゃ今日はキャンプを張らないと駄目だな…」
西に傾いた陽を見ながらレイジが呟いた。
「そうね…」
一人なら意地でも先を急いだが、彼が居るなら野宿も怖くなかった。
「滝の音が聞こえる…湖があるかも。」
「本当!?そうだと助かるな。」
レイジは私にニッコリと微笑み「行こう!」と走り出した。
「ええ~…走るの~?」
既にくたくたな私は文句を言いながらレイジの後を追った。
ひと足先に湖に到着していたレイジはバツンバツンと装備を外し、インナー姿になると歓声を上げて湖に飛び込んだ。