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ふと名前を呼ばれている気がして目を開けた。
「─…呼んだかい?」
「はい。No.08がロストしました。」
「そうか…」
駄目だったか。
私は助手連れて“No.08”の所へ向かう。
真っ白な何もない廊下を歩いて隣のセクションに足を踏み入れた。
“08”と書かれた扉の前に立つ。
厳重なセキュリティを解除すると音もなくドアが開いた。
“No.08”の様子を見て溜め息と共に言った。
「…処分しろ。」
「はい」と助手が返事をしたのを確認し、私は自分のオフィスに戻るとPCを起動して“No.08”のファイルを開いて入力作業に入った。
一通り見直して最後の処理を行った。