「お前も災難だな。今あの世は満杯でな。生まれ変わり抑制法案が出来たんだ。

お前ももう七回目の人生。現世で死んだらもうおしまいという訳さ」


『そんな人生を何故こんな形で送らなきゃいけないんだ!』


「そりゃお前、前世で悪事を働きまくってたからじゃないか」


『そんな! 私は生まれてこの方、悪事のあの字もした事がないぞ?』


「そうなんだよ。逆に良い事ばかりしていた。

俺も心苦しいんだが、これは上からの命令だし仕方ないんだ」


『なら殺してくれ。歯も全部抜かれているから舌も噛めやしない』


「そうしてやりたいんだがこれも決まりでネェ。

俺もほんの罪滅ぼしとしてホントは教えちゃいけない事情を話したって訳さ。

な、それで勘弁してくれよ」