途中パーキングに寄り、小用を済ませて軽く食べ物をつまむ。
「美味しいっ! シチュエーションこそが一番の調味料ねっ!」
文恵は名物の牛タンを頬張って舌鼓を打つ。眩しい陽射しを跳ね返して、彼女もまた輝いていた。
三十路になっているとはいえ、文恵はまだまだ二十代でも通用するほどに若く見える。140cmそこそこの身長も、彼女を幼く見せていた。
「ほら、座って食べないと服に垂らすぞ?」
細かいことを気にしないその性格が、更に輪を掛けている。
「判ってるわよ、すぐに子供扱いするんだから」
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