俺の両親は、彼の親の会社に借金がある。

あ、最近親父は逃げたから、
さらに状況は悪化している。


事情を知っている、
社員や彼の家の者(家族以外)には、
人質やら借金のカタやらに思われて、
憐れんで見られる事もある。

だけどそんな事とは別に、
俺たちはお互いを好いている。


しかし、俺がこの家にいる理由は、
確かにその、借金のせいだ。

周りからすれば、
完済するまでは俺は、
彼の所有物なんだろう。


だからそれまでは、俺は彼を拒む。


それだけは、彼に何もかもを
与えられ続けている俺が
最後まで持っていたい
プライドのようなものだ。