今日から一週間、顔も知らない従兄妹の家で住む事になった
嫌だけど・・・本当に嫌だけど、仕方が無い
母さんと父さんは旅行で、ガスも電気も全部止めていったから!
で、案外私が通う学校の近くに住んでいた、従兄妹のお兄さんとやらの、家へ・・・
本当に最悪。行きたくない
だって・・・従兄妹って男だよ?!お兄さんだよ?!
男嫌いの私には、拷問だよねぇ・・・
しかも年上なんて一番嫌いだよ!
・・・なんて考えてる内についちゃったよ
「ついちゃったよ!ついちゃった・・・」
覚悟、決めなきゃだよね?
「うぅ~・・・よし!」
ピンポーン
押した!
今、押しちゃったよ!
ガチャ
「・・・はい」
ドアを開けたのは、私とは比べ物にならないくらいかっこいい人
あれ・・・?どっかで見たこと、ある?
「誰・・・」
「あっ、えっと。今日からお世話になる愛莉です」
「あぁー・・・従兄妹さんね。聞いてる。入れば?」
「おじゃま、します」
えーと。
何処で見たっけ?
金髪に・・・蒼色の目・・・
あれ?神谷瑠羽・・・先輩?
えっ、そう考えたら似てるんだけど・・・
「あんたさー」
「は、はい?」
「うちの一年の笹神愛莉だろ?」
「やっぱ、り・・・神谷瑠羽先輩?」
「俺のこと、知ってんだ?」
「あれだけ、騒がれてたら、知らない人はいませんよ・・・」
やばい・・・
本当に神谷先輩だよ
私が大嫌いで皆が大好きな
神谷先輩が従兄妹だったなんて・・・
むっちゃ知ってた!
バスケ部で一緒だった!
最悪・・・地獄だよ
「あんたも、結構知られてんぜ?可愛い一年がいるってな」
「かわ、可愛い・・・!?そんなこと、ありません!絶対に!」
全力で否定したら先輩に笑われた
何でぇ・・・
「ここ、あんたの部屋だから。好きにつかってくれていいよ」
「ありがとうございます」
家具はうちから運んでもらった
黒をメインにしたモノクロ系
「あっ。飯、つくってよ」
「・・・はい」
そう最後に言って先輩は階段を降りていった
本当に、男の人って苦手
てか・・・大嫌い
あんな奴ら、滅びたらいいのに
「荷物整理、しよ」
「ご飯、ご飯。何、つくろ?」
冷蔵庫の中身見てみないとな
何があるかな?
野菜食べたいな
野菜炒め食べたいな
ガチャ
あっ
先輩いないや
「よかった・・・」
さて、冷蔵庫の中探ってみよ
「何が、あるかな?」
・・・見事に野菜がない
てか、何もない
かろうじて、ひき肉と卵があるよ?
これで何を作れと?
いや、作れるものはあるけど・・・
「男の人の一人暮らしって、こんなもの、かな?」
よし、買い物に行こうかな
今なら、まだ時間あるよね?
まだ、5時にもなってないし
「お金は、母さんに貰ってるしね」
ここから一番近いとこ、どこだろーな
やっぱ○○スーパーかな?
まぁ、行ってみよ
「財布って、どこに置いたっけなぁ・・・」
えーっと
カバンの中・・・
どのカバンだっけ?
黒色のかな?
「あった」
さて、お買い物に出かけよ
_______________
何、買おうかな
野菜は買うでしょ
あと、あの調味料も買って・・・
うーん・・・
お肉もいるかな?
先輩、男の人、だしね
「これ、これ・・・これ」
買い物って好き
幸せ
なんでだろ?
時間も忘れてずっとそこにいちゃうんだよね
「あっ。もうこんな時間。帰んないと」
私は、買い物カゴに入れていた物を
レジにとおして
スーパーを出た
「よしよし。暫くは困らないかな」
ほんの少し笑って
来た道を帰った
今日のご飯は野菜炒めだ!
なんて考えながら
(先輩の)家に帰ったら
先輩がソファに座ってテレビを見てた
それを見た瞬間
体が硬直するのがわかった
やっぱり
男の人と一緒にいるの、怖いや
「おー・・・おかえり」
「た、ただいまです」
急いで台所に入った
怖いものは怖い!
仕方ない!
台所に入った後は
買い物袋から野菜を出し
冷蔵庫に入れた
「いるのは、キャベツ・人参・ピーマン・・・」
今日使う食材を出して
準備を始める
準備をしていたら
先輩が台所に来た
「ね、何つくるの」
「や、野菜炒めを・・・」
「ほー。そんなの母さんが生きてる時しか、くったことねーから、楽しみだわ」
先輩のお母さんは私の母さんのお姉さん
5,6年前に亡くなってるらしい
先輩のお父さんは先輩が生まれてすぐに亡くなってるらしいから
先輩はこの大きな家で一人暮らしをしているみたい
「じゃ、あっちで待ってるわ。楽しみにして」
「・・・は、い」
笑顔で台所を立ち去る先輩
もぅ、嫌!
笑顔なんて振りまいて、誰にでもそんな事するんでしょう!
そんな人、大嫌い!
そのあとは
仕方なく料理をつくりはじめた