「いった・・・。」

「だ、大丈夫ですか?」

「さっきので口の中切ったんだって。」

「そ、それは申し訳ありません・・・」

「いや、別に良いけど、さっきまで嫌々がってたのにえらい変わりようだな」

千原先生は意地悪そうに笑う。

「べ・・・別にに良いでしょ・・・」

「はいはい、
で。なんか用でもあるわけ」

また笑いながら・・・。

何、この先生・・・。前の時と全然違うじゃん。

まぁ、いいケド・・・。

「わ・・・笑わないでくださいね」

琉花は恥ずかしそうに下を向いた。

「ん?」

「お・・・おじゃるまるを見たいんです。録画するの忘れてて」

「おじゃるまる?なんだそれ。」

「え!先生知らないの?」

「俺は全然テレビ見ないからなー」

「でも、部屋にはテレビあるじゃない」

「あれは笑っていいとも!専用ですから」

「・・・ふふ。」

テンポの良い会話から、急に琉花は笑いだした。小さい顔をくしゃっとさせて、頬をピンクにする。

なんだ・・・急に笑って・・・

「なんだよ・・・何がおかしい」

「だって・・・先生が冗談ゆってるから・・・」

琉花はそう言ってニコッと微笑んだ。

・・・いつもそうやって、笑ってくれれば、俺はそれでいいのに。

「・・・ほら、着いたぞ。」

「あ、ありがとうございます。」

「・・・玉木。」

「はい?」

「・・・いつでも、送ってやるからな。

送って欲しかったら言えよ。」

「え・・・?」

琉花がドアに手をかけたまま驚いた顔を見せる。