「………ここは?」


愛理は木の下に立って懐かしそうに目を細めた。



「ここは迅との始まりの場所なんだ。すべてはここから始まったんだ」



正直、他の男との思い出話なんて聞きたくない。


でもなぜか…聞かないといけないような気がした。



「……あたしの過去、聞いてくれる?」



過去に何があったのかわからないけど、それでも俺は愛理の過去を知りたかった。


「……ああ」



これからのためにも……。