「……死ねっ!」


コイツ…まだ懲りてねーのかよ。


あたしは呆れて刃物をスッと抜き取った。


「……っあれ?」



いきなり手元からなくなった刃物に気付いて奴は、キョロキョロしてる。


あたしは奪った刃物を、奴の喉元に突き付けた。



「あんた…死にたい?」


低く、冷たい声を発した。



「っっ…。テメェ…っ」


声を荒げた瞬間にあたしは、軽く喉元に押しつけた。


そのため、奴の喉からは血がちょっと出た。



あたしは以前、コイツと会ったことがある。



『黒雲(コクウン)』という、卑怯なことばかりする族だ。