暴走中、いろんな人に見られた。
あたしたちはこの町じゃ、結構有名な族だ。
「…――総長っっ！！！」
誰かの声でみんな一斉に人気のない場所に行き、バイクを止めた。
バイクから降りたとき、誰かが来た。
「…総長、いきなり止めてすいません」
さっきあたしを呼んだのは戦闘幹部だった。
「どうした？」
「チラッ、としか見えなかったんですが、舞夜龍とどこかの族が争いを始めてました」
「……何？！」
でも戦闘幹部は不思議な顔をしてた。
「実は、舞夜龍の総長が…変わってました」
それか…。
「説明はあとでするから…弥結と漸(ｾﾞﾝ)はあたしと争いをしてる場所に向かう。あとのみんなは倉庫に戻っとけ」
漸は戦闘部隊の幹部だ。
あたしと弥結と漸は、みんなと別の方向にバイクを走らせる。
