週末になり、家にライと海理さんが来た。
兄貴は海理さんに話してるから、あたしも接しやすかった。
「愛理ちゃん。ゴメンね」
海理さんが謝ってきた。
「何で海理さんが謝るんですか?」
「だって…愛理ちゃんの家族を取っちゃったんだもん」
そっか…。海理さんはあたしにとって兄貴しか、家族がいないと思ってんのかな?
「海理さんはあたしから兄貴を取ってなんかないよ」
海理さんがあたしを見た。
「あたしからたった1人の家族を取ったんじゃなくて、海理さんがあたしの家族になってくれたんだよ。そう考えちゃ…ダメかな?」
「愛理ちゃん……」
これがきっかけであたしたちは仲良くなることができた。
そしてあたしたちは『愛理』『海理ちゃん』と呼び合うようになった。