和野くんは


背後から
あたしの制服の襟首を
掴んでいた



「あの…和野くんっ!?」


ジタバタするあたし



『放しなさいよっ!!』



りっちゃんが
和野くんの腕を掴もうと
手を伸ばす…



ゆりっぺは、何事かと

オロオロしていた…



「悪いけど、相澤さんは
まだ帰らないから…

帰るなら、お先にどうぞ」



和野くんは、そう言って

あたしの襟首から
手を離すと


今度は


あたしの腕を掴んで
歩き始めた…



りっちゃんを
振り払うようにして…



スタスタと


強引に…



あたしを引っ張っていく




りっちゃんとゆりっぺは


驚きながら


あたし達の後を追ってきた





『和野くんっ…マユを
どこ連れて行くのっ?』



「教室…」



ゆりっぺの問い掛けに


ボソッと


それだけ答えると



やっと、手を緩めて


歩く速度を落とした…



あたしは
歩きながら2人に


いきさつを説明した…