その後は
また
2人並んで歩いた…
繋いだ手から伝わってくる
彼のぬくもりが…
さっきまでの緊張感を
少しずつ
癒してくれる…
「真優花の私服…
初めて見るけど
やっぱ可愛いなー…」
急に…
呟くように
そう言った彼は
照れ笑いしながら
あたしを見た。
あたしは
恥ずかしくて…
何も言えずに
足元だけを見つめて
歩いた。
私服の、和野くん…
じゃなくて
悠斗…も
かっこよくて
すごいドキドキする…
そんな事…
恥ずかしすぎて
言えないけどね。
「ここが
俺のおススメの店っ!」
10分くらい歩いてから
たどり着いたのは
ちょっぴりレトロちっくな
洋食屋さん
…て、ゆーか…
食堂…?
「へぇーっ…
今まで、行った事…
無い感じのお店かもー」
「だよなー?」
「うん…」
少しドキドキしながら
中に入ると…
テレビや、映画で
見た事ある
明治とか…昭和初期?
そんな雰囲気の
テーブルや椅子が
並んでいた。
「こんちはーっ」
『いらっしゃいま…
あ…悠くん?』
わ…かわいい…
白いフリルのエプロンが
よく似合う…
同じ歳くらいの女の子が
こっちに近付いて来る…
彼は…その子に
笑顔で話し掛けた。
「おー…
ちぃちゃん、お疲れっ!
今日は、ごめんなー
交替してもらって…」
『いいよー
どーせヒマ人だしっ!
そのかわり、
今度何かおごってね!』
すごく親しそうな
そのやりとりに…
あたしは、なんだか
戸惑っていた…