「あたし…和野くんと
付き合ってるよ。」
『やっぱり…』
呟くように
そう言った彼女は…
明らかに
動揺している様子だった。
あたしから視線を逸らすと
しばらくの間
黙ったままで…
彼女が再び
あたしの顔を見た時
その目は潤んで見えた…
『いつから…
付き合ってんの?』
「2週間くらい前…」
『2週間…』
そう呟くと、彼女は少し
考え込むような仕草をした
『2週間前って…
あの日じゃない?』
『やっぱり…2人で
サボってたんじゃん…?』
教室の隅で、あたし達の
会話を聞いていた2人…
三崎さんと、サトって子
の
そんなやりとりが
ボソボソと聞こえてくる…
まさか…
あの、告白の日に
授業サボったことまで
バレてるの…?
どうして、この人達が…?
あたしが
ドキドキしながら
そんなことを考えていると
ふいに、アズって子が
2人の方を見て…
それからまた
あたしを見て、言った。
『どっちが…告ったの?』
「え…?」
その質問は
正直、答えに困る…
どっちって言われても…
お互い
同じ日に、同じ場所で
告白したわけだし…
何て答えるべきなんだろ?
色々悩んだあげく
やっぱり…
正直に話すことにした。
「お互いに告白して…
付き合うことになったの」
『は?
2人…同時ってこと?』
「同時って言うか…
お互い同じタイミングで…
同じ気持ちだって
気付いた
…ってだけで…」
『ふーん…』
彼女は、なんだか
納得してない様子だった…