「でも…

和野くんの知ってる
あたしが…

本当のあたしじゃ
なくても


それでも
あたしの事
好きって言える?」



「…あのさ…

相澤さんって、ちょっと…
考えすぎなんじゃない?」


「え…?」


「だってさ…
そんなこと言ってたら
きりがないよ?

相澤さんも言ったろ?

俺の事…
知らないことが
たくさんあるって。


そりゃそうだよ。

俺達は別の人間なんだから
お互い、知らない事が
いっぱいあるのは

当然だろ?


それでも…好きだから
一緒に居たいって思うし

知らない事は、これから
お互い少しずつ…

知っていけば
いいんじゃないの?


相澤さんが怖いって
思う…その理由も…

もし…話せる時が来たら
俺、いつでも聞くし。


それに…俺にだって…

痛くて話したくない過去も
あるけどさ…


相澤さんが知りたいなら
ちゃんと話すから…



恋愛からも…

俺からも逃げないでよ。


相澤さんが
恋や、自分自身の事…

ちゃんと
好きになれるように

俺と2人で少しずつ
恋愛…やってみない?

何て言うか、ほら…
リハビリみたいなもん?」



「…和野くんって…
変わってる…」


しばらくの沈黙の後
それだけ言うと

あたしは思わず
クスリと笑ってしまった


あたしを見て、和野くんも
笑みを浮かべている…


「俺…?そうかなー?

まぁ、よく言われるけど…
掴み所が無いとか
わかりにくい性格とか…?

…でも、俺に言わせると

相澤さんの方が
変わってますからっ!」


彼は
からかうように言った

そして、
急に真面目な顔になると…


「そんな相澤さんの事が…
俺は、大好きです!

俺の彼女になって下さい」

そう言って
頭をペコリと下げた


「あ…あたしも
和野くんが好きです!
だから…

よろしくお願いします」

あたしも
同じように頭を下げた


この人となら…

もう一度

頑張れるかもしれない…