「あたし…
和野くんが…好きなの」
「えっ!?」
「和野くんの事…
まだまだ知らない事
たくさんあるけど
和野くんと過ごす
少しの時間の中で…
いつの間にか
好きになってたみたい」
恥ずかしさと
ものすごい緊張を
ひきつった笑顔で
ごまかそうとしながら
告白する…
自分の声が
震えているのがわかって
余計に恥ずかしくなった…
顔が火照って
胸がドキドキ
鳴りっ放しだった
そんなあたしを見つめる
和野くんの顔も
赤く染まり
そのまなざしは
さっき以上に
熱く感じた
「でも…」
あたしは
少し俯いて
告白の続きを
話し始める…
できれば
言いたくないけど…
話さなきゃ…
「でもね…あたし…
誰かを好きになったり
誰かと…
付き合ったりするのが
すごく…怖いの…」
「怖い…?」
彼は驚きの表情で
あたしを見つめた
「和野くんの事が怖いとか
…そんなんじゃないの。
ただ
恋愛には…ちょっと…
嫌な思い出があって…
それで、さっき…
和野くんの気持ち知って
なんだか怖くなって
逃げ出そうとしたの。
あたし…最低でしょ…?
…幻滅した?」
「するわけないじゃん」
即答だった
その言葉に
あたしは顔を上げて
彼の顔をじっと見た
「自分のこと
最低なんて言うなよ。
今までの恋愛で
どんな事があったのかは
知らないけどさ…
俺は…
今
目の前にいる
相澤さんが…
好きなんだから」
真剣で
どこか優しげな
その表情から
あたしは
視線を逸らすことが
できなかった