和野くんの言葉を聞いて…
胸が
ズキンと痛んだ…
そして何故か
涙が
ポロポロと
溢れ出す…
「…え?
あっ!ご、ごめん!!」
彼は
ようやく腕をゆるめて
あたしを開放すると
焦った様子で
あたしの顔を覗き込んだ…
「相澤さん…ごめんてば!
泣かないでよ…
俺…
泣かすつもりなんて…
あーっもう!
俺って、最悪な奴だーっ」
「ち…がうの…グスッ…
和野くん…悪く…ない…」
「…いや、どう考えても
俺が悪いから!
相澤さんの気持ち考えずに
ホントに、すみません!」
「違う…違う…
悪いのは…あたしの方…
だから…グスッ…」
「相澤さん…?」
あたしは
涙を拭いながら
ゆっくりと顔を上げる…
少し呼吸を落ち着かせて
鼻を啜りながら彼に言った
「…ふぅ…
和野くん…
あたし…もう大丈夫だから
教室…戻って…?
授業、始まってるし…」
「は?
…授業なんかより
相澤さんの方が大事だし!
それとも…俺なんかが…
側にいたら迷惑かな?」
そんなわけ無い…
あたしは
何度も首を振った
「あたし…ちょっと…
パニクっちゃって…
高い場所にいることも
忘れちゃってた…
本当に、ごめんなさい」
「いや…もともとは俺が…
変な事、言い出したから」
「変な事じゃないよ…
それに… 俺なんか って
もう、言わないで…」
「相澤さん…」
「和野くんは
すごく素敵な人だよ…
優しいし、頼りがいあるし
欠点なんて見つからない
くらい…完璧な人…」
「…ちょ…
そんなに褒められても…
困るってゆーか
大袈裟だよ…欠点なんて
いくらでもあるし…」
「ん…ごめん…
あたしが言いたいのは…」
あたしは…深呼吸して
和野くんの目を見つめた