一瞬にして

あたしの表情が曇った事に


2人は気付いた…



この…気まずいムードを

なんとかしなきゃと
思いながらも


あたしは何も言えずにいた



『まぁ…恋って言っても
いい思い出ばかりじゃ
ないもんねっ…

そういえば
うちらが小学生の時なんて
さーっ……』



りっちゃんが子どもの頃の

恋バナを話し始めて


なんとか
また楽しい雰囲気に戻った



ひととおり騒いだ後


みんなやっと

眠りについた…



でも

あたしの心は


まだ少し

ざわついていた…


中学の頃の…


あの思い出が


頭の中でチラついて


なかなか寝付けなかった…







―月曜日―


和野くんは学校に来た



「母さん…すっかり
落ち着いたみたいでさ…
今週から食事もできるって

本当に…
色々迷惑と心配かけて…」


「和野くん…」


「え…」


「良かったね」


『うんうん…和野くん

まだ大変だろうけど
無理しないようにね』


『また果倫ちゃんに会いに
お邪魔するからねっ』



和野くんの

表情が少し柔らいだ…




そして昼休み―


お弁当を食べ終わった後
いつものように


坂口くんがりっちゃんに
会いに来た


『啓樹っ…
今日は何食べたの?』


『んー肉玉うどん』


『またうどん?
ホント好きだねーっ?』


『学食のうどん
マジ、旨いんだって!

今度一緒食べよーぜー』


『やだよっ!ダイエット
にはお弁当が一番なのっ』


『ふーん…?

んなことより…相澤!』


「へっ?」



『悠斗が…なんかー
相澤に話しがあるって』


「和野くんが…?」


『んーメシ食ったら
来てくれってさー』




みんなに見送られて


和野くんが待ってる場所に

向かった…