恋…?
あたし…和野くんに
恋…してるの…?
「…やっぱり…これって…
そう…なのかな…?」
『はい!分析の結果
これはズバリ恋ですっ!』
「…実感…ないけど…」
『恋なんて
そんなもんでしょっ?
真優花…初恋ってわけじゃ
ないんだよねっ?』
『そういえば…
マユの恋バナって
一度も聞いた事無いなっ』
「それを言うなら
ゆりっぺだって…」
『あれ?いつもしてるよ?
私は…中学の頃から
ずっと夕霧様一筋だもん』
「それ…
物語の登場人物だし…」
『ゆりっぺの妄想癖は
今始まったことじゃない
でしょっ?
それよりもっ…
真優花って
中学…どこだっけ?
確か、他県だったよね?
その頃は
彼氏いなかったのーっ?』
ドキッ…
…中学…初恋…彼氏…
あたしの
思い出したくない
記憶達が
一気によみがえってきて
忘れたはずの感情が…
ふつふつと
込み上げてくる…
あたしは
中学の頃の
最悪な出来事から
逃れる為に…
この土地へ
引っ越して来たんだ…
それはまだ
誰にも話した事のない
話したくもない
過去の傷だった…