それからみんなで

ケーキでお祝いして


りっちゃんが

女の子のしくみについて
熱弁をふるった…



それが終わると

みんなで遊んだ…


その時の

果倫ちゃんの笑顔は

すごく可愛くて


やっぱりどこか

和野くんに似ている…





「あの…相澤さん」

そっと抜け出して
洗い物をしているあたしに

和野くんが声を掛けた



「和野くん…
一緒に遊んでていいよ?

あたし、やっとくよ。
こーゆーの好きだし…」


「あ…ありがとう…」


「和野くんてば…今日は
ごめん と ありがとう
しか言ってないよ?
もう、その言葉禁止ーっ」


そう言って笑いながら
和野くんの顔を見ると


視線の先には

居間ではしゃいでる


果倫ちゃんの姿があった



居間からの笑い声と

静かな水音が台所に響く…


しばらく黙ったまま

和野くんは果倫ちゃんを
見ていた




「あいつ…果倫さ…」


果倫ちゃんを見つめたまま

和野くんが話し始めた…



「わりと…
おとなしいってゆーか…
自分から人と交わること
できないタイプでさ…

友達にも、俺達家族にでも

思ってる事あんま言えない
みたいで…


母親依存が激しかったから
ホント…寂しかったと
思うんだ…


あんなに楽しそうに笑う
あいつ…久々に見たよ…」


「果倫ちゃんは…
とっても素直で良い子だね

あたし、ひとりっこだから
羨ましいよ…

あんな可愛い妹と
こんな優しいお兄ちゃん

あたしも欲しいなー」


和野くんは
驚いたようにあたしを見て
顔を赤らめた


つられて、こっちまで
赤面してしまう…


目が合うと

和野くんは
パッと視線を逸らして

言った


「俺…優しくなんかないよ

でも…果倫じゃないけど…

ホントにまた
遊びに来てくれると…
スゲー嬉しい…です…」


言いながら…顔が更に
赤くなっていった…