こんなに…


自信なさげな

和野くんを見るのは



初めてだった




いつも冷静で

ハキハキしていて


何でも

サラリとこなしてしまう



あたしの中の和野くんは


ずっと
そんなイメージだったから




さらに

和野くんは

あたしを驚かせた…


「お願いします!」


突然そう言って
深々と頭を下げる


「和野くん…?」


「俺…勉強不足でした!
よかったら…俺に

色々教えて下さい!!」



これには

果倫ちゃんも驚いて


後ろから出て来ると

あたしの横に並んだ…


あたし達は

手を握りあったまま


しばらく

頭を下げている

和野くんの姿を見ていた…


そして

ふと…目を合わせると


にっこり微笑みあった…






『ただいまーっ!』


「えっ…?」



買い物から戻って来た
りっちゃんの声を聞いて


和野くんが



ガバッと顔をあげた




『あ…和野…
帰ってたんだ?』



振り向いて

りっちゃんとゆりっぺの
姿を見ると



不思議そうな顔で


あたしを見た



「これは…そもそも…
どういう状況…
なんだろう…?」




うん

一番は、それだよね…




まずは

そこから説明しなきゃね…