静まり返った廊下から

誰かの足音が聞こえる…




あたしは教室の片隅で

一枚の紙と

にらみ合っていた




廊下の足音が
だんだん近付いて来て


この教室の前で止まった―




「相澤さん」


「あ…和野くん…?」


「もう行ける?」


「え…うん…
提案書は書き終わった…」


「俺も
日誌出して来たから…
そろそろ行こっか?」


「…うん…」




あたし達は廊下に出た






…別に
一緒に行く必要なんて
無いのに…


わざわざ
教室に戻って来たんだ…?






今日は委員会の日



あたし達は
クラス委員をしている…


いや…させられている



と言うのも



入学してすぐに


面倒臭がりな担任が

勝手に決めただけだから…





『んー、とりあえず…
出席番号で…

女子の1番…相澤と
男子の最後…和野が
クラス委員なー』



なんて

適当な感じで
決められちゃったんだよね




しかも


とりあえず のはすが…



2学期になっても


変わる気配は、まるで無し


『2人共
良くやってくれてる
ようだから』

って…




担任も クラスのみんなも



決め直すのが面倒なだけ…



まぁ、あたしも


今更

どうでもいいって
感じだけど…