「じゃ…また明日」
「あ…うん…また明日…」
和野くんが
教室を出て行く…
教室前の廊下で
坂口くんと和野くんの
声がした
『まーゆーかっ!』
少し離れた場所で
あたし達を見守っていた
りっちゃんとゆりっぺが
なんだかニヤニヤしながら
近付いて来る…
『なんかマユ…
可愛かった…ね?』
『うんうん!
なんか…いい感じだった
2人の世界って…
そんな雰囲気だったー』
「もーっ
からかわないでよー
すっごく
緊張したんだから…」
『わかってるっ』
2人同時に、そう言って
ぷっと吹き出した
『うーっす』
『あ、啓樹!部活は?』
『んー今から行くよ。
これだけ言っとこう
と、思ってさっ…
悠斗の母ちゃんの手術…
なんとか
うまくいったらしい』
「ホントに!?」
『ああ!
まぁ…入院は、まだ長く
かかりそうだけどな…』
「ありがと…坂口くん」
良かった…
でも、大変だって事には
変わりないんだよね…
それにしても…
和野くんの笑顔…
可愛かったなー
…帰り道
知らず知らずのうちに
あたしの顔が
ニヤけてるのを
りっちゃんとゆりっぺが
しっかりと見てた事…
あたしは
気付いてなかったんだよね