次の日

和野くんは学校に来ていた



なかなか
話し掛けるタイミングが

見つからなくて


あっという間に
放課後になる…



呼び止めたいけど


バイトとか

お見舞いとか



忙しそうだから…


やっぱり…無理だよね…


そう思っていたら



鞄を抱えた和野くんが

近付いて来た



「相澤さん」



「あ…」



「昨日は迷惑かけて
悪かった…

おとといの事も…
俺、強引すぎたよな?

マジ、ごめん…」



和野くんからの
予期せぬ謝罪に


ちょっぴり驚いたあたしは

一瞬
言いたかった言葉を
忘れそうになった



「あっ…違くて…あのね…

あたし…和野くんに…
お礼言いたくてっ

あの…ありがとうっ!」



「それ…何のお礼?」



「ん…と…

和野くんのおかげで
クラスでの報告が
ちゃんとできたし…

あたし…今まで和野くんに
頼ってばかりだったから

今度から…
もっと色んな仕事するね?

和野くんみたいに
上手にはできないけどさ…

できるだけ…頑張るから」



和野くんは


今迄見た事が無いくらいに

にっこりと

優しく微笑んで言った



「俺も…」



「えっ?」



「俺も、相澤さんみたいに
文章上手く書けないし

字だって
ヤバいぐらい汚ねーし…

だから…
いつも助かってるんだ。

相澤さんの事…めっちゃ
頼りにしてるんだけど…」


そして


頬をポリポリと掻きながら

照れくさそうに笑った…





この言葉を聞いたあたしは

泣きそうなくらい
嬉しかった…