「行くぞ、奏」


そう言って蓮は私の手を引いた
まだ何も分からないのに
何も決まってないのに


なんでだろう






私の知らない渓ちゃんで
涙が出て来る…




「何泣いてんだよ…」

「…だって・・っ」


笑ってた
楽しそうに話してた


何も分からないんだけど

やっぱり「彼女」なのかもって思ってしまう


綺麗だったし・・・



「れん~~・・・」

「いい歳して泣きすぎ!
大人になやれよ」



そう言って握ってる蓮の手の感覚は


やっぱり渓ちゃんに似てる




私の知ってる渓ちゃんの感覚に・・・