「何言ってんの…奏?」

「私の為に…大学変えたの?

私が我儘言うから・・?」



私がこの事を言ったら
渓ちゃんは何か思い出したかの様な顔をした



「お前もしかして…芽久に会ったか?」





私は小さく頷いた


渓ちゃんが呼ぶ『芽久』って名前は

何か少し痛かった




「奏…
芽久が何て言ったか知らないけど
俺は今の大学は俺自信の希望で、俺の意思で決めたんだ

奏の我儘とか、全然関係ねぇ」





渓ちゃんは私の肩を掴んで言った

こんな渓ちゃんは見た事ないってぐらいに必死で



渓ちゃんの言う事を
私も信じたい




「でも…」



「・・もういいから…」


そう言って渓ちゃんは私を強く抱き締めた