「あれ…」
携帯を開いて見たら
点けていたはずの電源が落ちていた
バッテリー切れな訳ない…
「何て顔してんだ奏、
携帯あったのか?」
「あった・・けど」
「けど?」
「…何でもない、帰ろ」
不安が襲った
電源を落とせば操作履歴が残らない
もし見られてたら…
「そんな心配すんなよ」
「え?」
「奏は昔っから心配性だからな~」
チャリを家に向かって走らせながら渓ちゃんは言った
自分が気付かない事でも渓ちゃんは気付いている
私の癖も良いとこも悪いとこも
私を知ってくれてる事が
何より嬉しい
「渓ちゃんは気にしなさすぎなんだよ~・・」
「んな事ね~よ」