「何が“大丈夫”だ!今は大事な時なんだぞ。誰かに言うかもしれない…」


 「それはないです。」


 「そんなのは分からないぞ!お前の事を、知らない人はいないからな。」



 二人のやり取りを、見ていた小梅は声をかけた。



 「あの~」


 「何だね。サインをあげるから早く帰りなさい!」


 「…誰のサインですか?」



 首を傾げて答える小梅。



 「誰のって…SHIONのサインに決まっているだろ。」


 「SHIONって誰ですか?」


 「(この女…わざとか?)君の前にいるじゃないか!」



 小梅の言葉を、信じないマネージャーが声を上げた。