時刻は夕方5時を指そうとしている。



 「そろそろ行かないと!」



 私は急いで、二階から降りて台所に向かった。



 「お母さん、行って来るね!」


 「もう行くの?」


 「うん。」


 「お姉ちゃんどこに行くの?」


 「紗梛(サナ)。いつからいたの?」



 ソファーから顔を出して来たのは妹の紗梛。



 「早くからいるよ。今はテスト中で学校が早いの!」


 「そうなんだ。」


 「小梅、いつ帰ってくるの?」


 「分からない。出来るだけ早く帰って来るよ。」