そう言って走り出した里衣ちゃん。


 
 なのに…なんで守れなかったんだ…。


「里衣ちゃんっ…」


「悪かった。歩夢…」


 謝る空人。
 謝んなよ。
 空人は悪くねえ。


 守れなかった俺が悪い。


 ひたすら肩を震わせ里衣ちゃんの頬を撫で…。


 里衣ちゃんの頬に涙をこぼした。


 愛する彼女…。


 護衛だけど…里衣ちゃんに想いを寄せてたんだ。


 大好きだった。


 優しそうな顔で目をつむってる里衣ちゃん。


 もう…この笑顔を観ることもないんだ…。


 これは、俺が護衛で里衣ちゃんを守ってた時の物語。