ずしっと重みが来た。


 彼女の力が抜けたのがわかった。


「里衣ちゃんっ!死んじゃダメだよ!」


 しかし里衣ちゃんは動かない。


「里衣ちゃ…里衣ちゃん…。あぁっ…」


 冷たくなっていく里衣ちゃん。


「なんでだよ…。死ぬなって…」


 頬に涙がこぼれた。


 それは雫となって里衣ちゃんの頬に滴り落ちた。


「里衣ちゃんっ!」


 叫んでも答えてくれない。


 でも、里衣ちゃんの温かい唇の感触は残っていた。


「目…開けてよ。俺…守るって言ったじゃん…。ねぇ…里衣ちゃん…」


 かすれた声はもう声になってなくて…。